2012年10月12日金曜日

カヌー、酪農、遠くからまちを思う気持ち

10月5日(金)。午前中は協議会のアドバイザーの村下さんと、協議会メンバーの酪農家、富岡さんのところへ。富岡さんの牧場「リチェズ・ヒルズ」は「子どもたちが牛に触れることで、酪農に少しでも興味を持ってもらい、命の大切さなどを学んでもらいたい」という思いからスタートした、酪農教育ファームでもあります。この日は、神戸から修学旅行でやってきた男子高校生たちが滞在中。浦河町とお隣の様似町は、昨年から「日高王国」という「民泊(農林漁家に宿泊し、農林水産業の体験をする)」プログラムをスタートしており、富岡さんも受け入れ先となっているのです。


高校生たちとパドルの使いかたを説明する富岡さん
富岡さんは、酪農体験の前に、まずはカヌー(カヤック)を体験してもらいたいと、高校生たちを連れて、牧場から車で20分くらいのダム湖(うらら湖)へ。浦河は「海と丘のまち」と思っていたけど(人工湖とはいえ)湖もあるんですね。うらら湖は完全に私たちの貸し切り状態でした。










うらら湖はこんな景色
美しさを追求するならば、ほかにも素敵な湖はたくさんあるけれど、浦河のまちから、ひょいっとやってきて、誰もいない湖にカヌーを浮かべられる、このロケーションには可能性を感じます。例えば、朝ごはんを食べるためだけにカヌーに乗る、とかもできそう。



生後10日ほどの子牛「ライム」と高校生

 しばし湖上散歩を楽しんだ後、高校生たちは早速、牧場の仕事にチャレンジ。彼らの高校は、昨年、酪農体験をした生徒たちに、とても良い変化があったということで、今年もやってくることになったそう。彼らがせっせと子牛にミルクを飲ませたり、干し草を与えたりする姿を横目で眺めながら、私は陽気な富岡さんのお父さんとおしゃべりを。

















「いつも裸だからよく擦りむくんだよなー」
「まだ、82だからさ。はっ、はっ、はっ」と笑うお父さんは、もう10月だというのに、なぜか上半身裸。農業で生きてきた痕跡が刻まれたその身体には尊さすら感じます。

リチェズ・ヒルズには、改めて酪農体験にくる予定なので、詳しい紹介はまたその時に。



10月6日(土)。昼から、六次産業化サポートセンターの中小企業診断士の方が浦河にいらっしゃるとのことで、浦河町役場企画課、水産商工観光課の職員さん、そして浦河出身で現在は札幌で活動しつつも、今後、浦河を舞台にあるプロジェクトを実現しようとしている空間デザイナーの方とのミーティングに、村下さんと参加しました。

後半はそのプロジェクトの話題が中心でしたが、たとえ別の場所に住んでいても、浦河のために何かしたいという気持ちは、まちにとって貴重な財産なのだな、とあらためて思いました。そして、浦河に対してそういう気持ちを持つ人たちが多くいそうなのです(浦河はふるさと納税の額も多いそうです)。それらを丁寧に活かせれば、いろいろな可能性が広がっていくような気がします。

(宮浦宜子)