2013年5月30日木曜日

【イベント開催】第6回 地域デザインカフェのご案内

第6回地域デザインカフェを開催いたします!

これまでは毎月第一水曜日の開催でしたが、今回より、毎月第一木曜日の開催に変更になりました。お間違えの無いようお気をつけください。(参加希望者の方々のご要望にお応えしての変更ですが、ご了承下さいますようお願いいたします。 )

2012年、井寒台でのコンブ漁の様子

さて、今回の地域デザインカフェのテーマは「日高昆布」!

日高と名のつく食材では、おそらく最も知名度の高い「日高昆布」ですが、前浜で穫れるこの豊かな食材について、実はそれほどよく知らない、という人も多いのではないでしょうか。他産地の昆布との違いは?どう使うと美味しさを生かせるの?そしてずばり、美味しい昆布の見分け方は?

 今回のカフェマスターは、昆布への愛に満ちたブログ「こんぶログ」を運営する荒井孝幸さんにご登場いただき、自前の昆布コレクション(!)も携えて「日高昆布」について語って頂きます。どうやら、見て、聞いて、触って、味わって「日高昆布」の魅力を発見する時間になりそうです。ぜひご参加ください。

※ちなみに、お仕事に裏打ちされた専門知識と美味しそうな写真で私たちを魅了す
 るブログはこちらでどうぞ。 http://blogs.yahoo.co.jp/arachin0


◇日時:6月6日(木)19時00分~21時00分
◇会場:浦河町総合文化会館2階 団体活動室
◇参加費:500円


 ※「食つな」は補助事業期間を終え、任意団体として活動を継続しています。
  会場費を含め、今後の活動経費に充てるために、前回からワンコインの参加費
  をいただいております。皆さまのご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

(村下知宏&小山祥子)

2013年5月11日土曜日

【レポート】第5回地域デザインカフェ開催しました

5月9日(木)、5回目の地域デザインカフェを開催しました。
毎週第1水曜日に開催してきた地域デザインカフェですが、第1木曜日に変更することになりました。ただ、ゴールデンウィークとぶつかった今月は第2木曜日に開催するという、少々分かりづらい今月の日程となってしまいました。

この日の地域デザインカフェを担当した石黒さんから最初の挨拶。
参加者は14名でした。

今回は、協議会メンバーである石黒建一さんのコーディネートにより、町内在住の80才になられる女性のお話をお聞きするという企画です。

この方はご自身も高齢者でありますが、ボランティア・グループの一員として日々お元気にボランティア活動に参加されています。短い時間ではありましたが、そのご苦労の多かったであろう人生の歩みの一端をお聞かせいただきました。終始笑顔で話される姿に感銘を受けると同時に、弱音を吐くのが日課のようになっている自分をかえりみて恥ずかしくなりました。

お名前は出さないという約束なので、ここからは失礼ながら「おかあさん」と呼ばせていただきます。

おかあさんはこの町のご出身ではありません。遠い町でお生まれになり、7才のとき親戚を頼りに浦河へやってきました。昭和16年でした。尋常小学校を出ると、家族を養うために終日働いては仕送りを続けられました。

山の仕事、海の仕事をなんでもやりました。15才のとき、えりも町(当時は幌泉)のお風呂屋さんで住み込みで働いたこともあるそうです。「日中は毎日、山に柴をとりに行ったんです。」とお話しになったときは、さすがに50代半ばのわたしにも想像ができない在りし日の地域の姿でした。せいぜい「石炭をくべる」時代が、わたしの知っている古き昭和です。

町内の鉄工所で石炭ストーブの部品を作っていたこともあったそうです。若かったのでどこへ行っても「ねえちゃん」と呼ばれていたといいます。「わたしはエライひとが好きじゃないの。威張るひとはきらい。人間偉くなっちゃいけないよ。」という言葉に、きっとあまり人には言いたくないつらい思い出もあるのだろうなと、思ったりもしました。若かったから意地と負けん気があったとおっしゃっていましたが、そうやって悔しい気持ちをバネにしてがんばって来られたのでしょう。

十代で結婚され、お子さんを5人もうけましたが、最初の子どもは農作業中に陣痛が来てしまい、そこでお産婆さんも無しに産んだといいますから、驚きです。お産婆さんの世話になったのは一人だけだとおっしゃっていました。5人のうちのお一人を2才で亡くしておられます。

その後、比較的近年にお子さんの一人を、病気で亡くされています。その息子さんが亡くなられたときは「ありがとうね。」と声をかけたといいます。わたしならこうは出来ないだろうな、と思わずにいられませんでした。なによりもそれまでの息子さんへの感謝の気持ちが、言葉となって表れたのでしょう。


おかあさんは亡くなったご主人と土木の会社をおこし、20代から50年近くもの長きにわたり仕事に励んでこられました。外仕事には雨の日も雪の日も風の日もあります。年をとると並大抵のことではありません。
でも、おかあさんのお話からは愚痴らしい言葉がひとつもきかれません。仕事が大変だったという事実は語られますが、きもちとしては「楽しかった」「有り難かった」という言葉ばかりが出てきます。石黒さんが地域デザインカフェで、このおかあさんのお話をみんなで聞きたいと考えた理由が、分かった気がしました。

景気が悪い、人口が減っていく、予算も減った、そんなことがなんだというのでしょう。それが事実だとしても、わたしたちも「楽しい」「うれしい」「ありがたい」という姿勢で取り組めばいいだけではありませんか。どう考えたって戦争をくぐり抜けてきた先達のくらべたら、わたしたちは本当にめぐまれた時代に生きています。

お話を伺ってそんなことを思いました。聞けてほんとうに良かった。石黒さん、ありがとう。

おかあさんのお話の後、この日はもう一人のゲストのお話を伺いました。浦河町出身の空間デザイナー、姉帯美保子さんです。姉帯さんはいま、町内の「とっておきのすてきな場所」にスタンプ・ハウスを設置していこうというプロジェクトをすすめていて、その紹介を30分ほどしていただきました。



このプロジェクトについてここに記すとまたとても長くなりそうなのと、わたしが書かなくてもすでに良い紹介記事やサイトがありますからごらんになってください。デザインカフェの翌日、姉帯さんとゆっくりお話しする機会をいただき、さらによくこのプロジェクトと姉帯さんのことがわかりました。


以上つたない報告ですが、80才になられるひとりの女性のお話はいつまでも心に残るものでした。その魅力の一端でも伝わればと思います。

来月は第1木曜日の6月6日開催となります。内容はまだ未定のようですが次回も楽しい会になる

と思います。皆さんのご参加をお待ちしています。

小山直