2013年11月8日金曜日

【レポート】地域デザインカフェ Vol.11 ~大地を活かした地域づくり~ 

第11回地域デザインカフェ ~ 「大地を活かした地域づくり」 ~
11月7日(木) 浦河町総合文化会館 団体活動室

第11回目のカフェマスターは、アポイ岳ジオパークビジターセンターで学芸員補を務める加藤聡美さんをお呼びしました。


 ジオパークとは大地を意味する「ジオロジー」と公園を意味する「パーク」を組み合わせた言葉です。それだけ聞くと岩石や地層といった地質に関する公園なのかと思いがちですが、ジオパークは大地の上に存在する植物や気候、そして産業や文化といった人の生活のつながりを再発見し、地域の活性化を図る拠点を指すそうです。

加藤さんの資料から。大地の遺産、自然遺産、文化遺産が組み合わさて成り立つジオパーク。
様似町ではアポイ岳を中心として地域の様々な魅力の発掘を行っています。
加藤さんは学芸員補として地域の隠れた魅力を教育やツアーといった形で伝えています。カフェでお話いただいた「日高本線の終点が様似なのは、日高山脈が海に沈み込んだ断崖絶壁があるため」といったお話をはじめ、普段目を向けない「ジオ」の視点でみる地域の話には、参加者から「へぇ~」という驚きの声とたくさんの質問が飛び出ました。


 豊富な知識で学芸員として活躍する加藤さんですが、大学生時代には学芸員という仕事はまっさきに進路の候補から外していたそうです。それは学問的な難しいことばかり考えて、難しいことばかり話すだけの仕事に思えたから。しかし縁あって北海道のいくつかの“田舎“と関わる中で。難しいことを楽しく、話すだけではなく地域の人達と実践する役割をできるのではないかという考えに変化していったそうです。

夕焼けのアポイ岳ジオパークビジターセンター。館内の展示も大変素晴らしいです。
 実際にアポイジオパークでは地域の中で実践する取り組みをされています。特に興味深かったのは「ジオ塾」です。地域の人達ガイドとなり、地域の自然や産業のかかわりについて知る機会を水力発電用のダムの見学ツアーや漁師のお母さんたちが講師の料理教室といった形でつくりだしています。「なぜこの場所にダムをつくったのか?」「サケはどんな生態なのか」といったように地域の『ジオ』の特徴と、生業や営みをつなぐ取り組みを地域の人達と一緒にできることが少し羨ましくも思えました。

 今回で第11回を迎えた地域デザインカフェ。前回の新ひだか町からお越しいただいた天野さんに引き続き、お隣町・様似からカフェマスターをお迎えしました。町という境にとらわれず、繋がっていくこと新しいことを知り、動く可能性を感じることが出来ました。

(事務局:村下知宏)

2013年10月13日日曜日

【レポート】地域デザインカフェ Vol.10 ~食を通じて、ひとを幸せに、まちを元気に~

第10回地域デザインカフェ 「食を通じて、ひとを幸せに、まちを元気に」

今年1月から定期開催している地域デザインカフェは、今月で10回目を数えました。
今月のカフェマスター天野洋海(ひろみ)さんは、隣町の新ひだか町で「お料理あま屋」を営まれています。

天野さんのご実家はもともとスーパーを経営していますが、地元を離れて料理の腕を磨いた天野さんが帰ってから程なくして、料理屋をオープンさせることを決意。天野さんはそのとき29歳だったそうです。お店はちょうど今年で開店から丸10年を迎えましたが、開店の日は後に激甚災害に指定されるほどの台風が列島を縦断した日。
団体で予約を受けていたのはよりによって自衛隊の方々…。予約はキャンセルとなり、客入りはなかったと語ってくれました。まさに嵐のなかの門出でした。
開店当初は「全国の旬の食材を楽しめる日本料理のお店」でしたが、数年後「ぜんぶ日高・ぜんぶ静内」をコンセプトに、日高の食材に焦点化する方向へシフトしました。まずは改めて地元に何があるのかを探し、何でも試していく。
すると次第に「日高の食材を味わいたい」という遠方からのお客さんが増えていったそうです。例えば「春ウニ丼」がメニューに加わる毎年5月は、通常時の倍以上のお客さんが来店されるとのことでした。

天野さんは根拠となる具体的な数値も蓄積されていて、この日も参加者に包み隠さず教えてくださいました。ここでは客数まで記載しませんが、少なくともこの時季に『二十間道路』の桜を目的に新ひだか町を訪れる観光客の往来を差し引いても、「春ウニ丼」の効果が現れていることをうかがい知るには十分でした。「『その土地・このお店でしか味わえない』ことが、外から人を呼び込むことにつながる」という言葉に、実感と確信が込められていました。

  
天野さんは今年8月、開店から10年を機に「いろいろやめた」そうです。
本当に自信のあるもの、お客様に食べてほしいものを厳選し、80あったメニューを40にまで絞りました。余計なことをやめることにより、お店全体のホスピタリティの向上もねらいにした決断でした。
チャレンジすることに貪欲で、ダメならやめることもいとわない。
逆に言えば、変化を躊躇わない姿勢が、リセットする・ゼロに戻すという決断をも可能にするのかもしれません。

天野さんのチャレンジは、店舗経営を超えたところでも続けられています。
新ひだか町にはご当地グルメ「桜ロコモコ」があります。このメニューを推進するために一昨年設立された「新ひだか桜ロコモコ推進協議会」は今年の3月、活動の幅を拡大するべく「新ひだかFood倶楽部」に改称され、地域全体で食についての研鑽を深めること、食と観光を結びつけて地域の活性化につなげることを目指して動き出しています。
天野さんは、新ひだかFood倶楽部における大変興味深い試みについても、熱く語ってくれました。その試みとは、「レシピの開示」という形で情報を共有し、地域全体で食のレベルを底上げしていこうというものです。
料理の現場は「見て盗む」ことが当たり前の、いわゆる職人の世界。しかし、そうした寡黙で頑固…といった職人のイメージを、天野さんは身をもって覆してくれます。
「そういうのやめよう」と気さくに語りかけることができ、自らの知識や技術を出し惜しみせずに提供することができる器の大きさに、既存のものを打破していくこれからのリーダー像を見た瞬間でした。
地域のなかでさまざまな“仕掛け”を設ける際に、「最初は反対されることもある」というエピソードすら、ほどよく開示する天野さん。しかし、何気ないコミュニケーションのなかで、「やってみると案外楽しい」と思わせる工夫を怠っていません。
「レシピの開示」にしても、“きかれたら教えたい”という誰もがもつ心理に働きかけていることが垣間見えました。相当ハードルが高いように思えることも、「なんだかんだ、みんな教えたいのさ」と笑い飛ばす天野さんでした。


参加者からもたくさんの質問や感想が飛び交いました。食に関する素朴な質問に対しては、プロの技の一端を教えてくれました。天野さんのお話に同調し、「“商売をしていない”お店でなければ田舎ではやっていけない」という言葉で、田舎での商いのあり方に言及する参加者もいました。従業員の教育についての質問には、難しい接遇マニュアルが馴染まなかった経験をもとに、「お客様が喜ぶことを徹底的にやる」というシンプルな方針だけを打ち出しているとのことでした。

実際に「あま屋の従業員が丁寧に見送ってくれて感動した」という感想が別の参加者から寄せられ、天野さんの試行錯誤が実を結んでいることがうかがえました。

結びに天野さんは、食も観光も「最終的には人」だというメッセージを残してくれました。その言葉は「いくら仕組みをつくっても、魂を吹き込まなければ意味がない」こととも重なりますし、「まちづくりは人づくりから」という考え方にも通じます。店舗経営や社会貢献を通して積み上げた経験に依拠するメッセージは、トークは軽快でも、重みがありました。
料理を通して感じる繊細さと、風貌や笑い声から伝わってくる豪快さ。
そのどちらも併せ持っている天野さんの人間的な魅力は、まずはお店を訪れて実感していただきたいです。

天野さん
新ひだかも浦河も、豊かな食資源という点で、似通った風土のまち。
これからもときに刺激しあい、ときに手を取りあって、互いのまちを、そして日高を元気にしていきましょう!!
このたびは本当にありがとうございました。

(協議会メンバー:石黒)
「お料理あま屋」Facebookページ
https://www.facebook.com/#!/shizunai.amaya
「お料理あま屋」ウェブサイト
http://shizunai-amaya.com/
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2013年9月26日木曜日

【イベント開催】第10回地域デザインカフェを開催します! ~食を通じて、ひとを幸せに、まちを元気に~

10回目を迎える地域デザインカフェは、隣町の新ひだか町で「お料理あま屋」を営まれている天野洋海さんをカフェマスターとしてお招きし、「食を通じて、ひとを幸せに、まちを元気に」をテーマにお話をうかがいます。

佇まいも素敵な『あま屋』さん
天野さんは本業としての店舗経営だけでなく、日高の食材を楽しめる「フードフェスティバル」を主宰するほか、町内の飲食店9店舗からなる「新ひだかfood倶楽部」の一員としても活躍され、去る9月8日に初開催された「新ひだかうまいもの選手権」では仕掛け人として尽力されました。
小さな町で飲食店を営むにあたり「みんなで食のレベルを向上させていこう」という熱意に満ちた天野さんの原動力はどんなものなのでしょうか。
また、新しいものを積極的に吸収し、惜しげもなく提供することのできる天野さんは、その視線の先にどんなゴールを思い描いているのでしょうか。
ぜひ天野さんの人柄と情熱にふれてみませんか。
お料理あま屋 WEBサイト  http://shizunai-amaya.com/   
      Facebookページ https://www.facebook.com/shizunai.amaya
◇日時 10月3日(木)19時~21時
◇場所 浦河町総合文化会館 2階 団体活動室
◇参加費 500円
※「食つな」は補助事業期間を終え、任意団体として活動を継続しています。会場費などの経費に充てるために、ワンコインの参加費をいただいておりますので、ご理解・ご協力のほど、お願いいたします。 ※託児をご希望の方は、9月28日(土)までに、事務局までご連絡ください。
Tel:0146-22-5123(㈱マルセイ内)、E-mail:urakawa.tsunagu@gmail.com

2013年9月25日水曜日

【レポート】第9回地域デザインカフェレポート ~馬と人を結ぶ架け橋をつくる~

第9回地域デザインカフェは「馬と人を結ぶ架け橋をつくる」と題して、
わらしべ乗馬療育研修センターの江刺尚美さん、小島愛子さんのお二人にお話しをしていただきました。


 『乗馬療育』 とは心身に障害のある方やお年寄りの方に、馬に乗ることを通して身体や心の回復を図る療法だそうです。
わらしべさんは 日本では唯一、福祉の専門家が専従スタッフとして乗馬療育について理論的な研究をされています。

 前半は社会福祉士の江刺さんが、写真と現場で使っている器具の実物を用いながら、乗馬療育がどのように行われているかを説明して下さいました。
海外では、障害があると分ったら 「すぐに馬に乗せよう!」 となるぐらいに乗馬療育が一般的だそうです。
  しかし、乗馬療育が一般的ではない日本では、海外では普通にあるような乗馬療育のための道具も販売されていません。わらしべさんでは、プログラムに必要なクッションや教材道具などを、いただいた端切れなどを活用し、工夫を凝らして手作りしているそうです。


 後半は理学療法士の小島さんによる乗馬療育の効果に関する説明でした。
 例えば乗馬療育のひとつの効果として、体幹が鍛えられ、体のバランスが正しくなるといったことがあるそうです。身体の左右どちらに重心が傾いているか計測できる専用の器具を使って、乗馬前と後の効果を測っています。

 他にも抑うつ気味の方のストレスの軽減度合や、関節への影響などの実験をされており、東京大学をはじめとした研究機関との共同研究も行っているそうです。
乗馬する前と後では、ストレスを感じる数値に変化が表れるそうですよ。
 
 論理的なデータでの説明に納得したのはもちろん、ここでの 『乗馬療育』に真摯に取り組まれているお二人の姿勢に、心が動かされた参加者も多かったようです。驚きの声と笑い声が絶えないカフェでした。
 
 一人の利用者さんに対して多い時には四名がかかりきりになる必要がある、非常にコストのかかってしまうこともある 『乗馬療育』 ですが、必要としている人はたくさんいます。“馬”という、浦河の資源を活用した、大切な取り組みが、これからも継続・発展していくように応援していきたいな、と思いました。

わらしべ乗馬療育研修センターさんの日頃の活動はFacebookページでもご覧いただけます。
ぜひご覧ください

2015年6月追記:現在乗馬療育は同センターの事業縮小に伴い、別組織に人材と事業が移行しています。現在の活動はピスカリ浦河乗馬療育コミュニティにてご覧いただけます。

2013年9月2日月曜日

【イベント開催】第9回地域デザインカフェを開催します!  テーマは『馬と人を結ぶ架け橋をつくる~』

第9回を迎える地域デザインカフェ。


 テーマは「馬と人を結ぶ架け橋をつくる」です。
カフェマスターはわらしべ乗馬療育研修センタースタッフの小島さん、江刺さんです。
わらしべ乗馬センターさんでは障害のある方に対して馬に触れ合う機会を提供しています。
ただ楽しみの場として提供するだけではなく、
その人の身体や心理に様々なプラス効果をもたらす「乗馬療育」の効果を研究されています。
競技でもレジャーでもない「乗馬療育」という馬と人とのかかわり方についてご紹介いただきます。

◇日時  9月5日(木)19時~21時
◇会場  浦河町総合文化会館 団体活動室
◇参加費 500円


地域デザインカフェとは、『地域の色々についてゆる~く話をする』をテーマに毎月第1木曜日に開催しているイベントです。

町内の様々な方が「カフェマスター」として登場!地域を元気にする話題や浦河をもっとよく知るための話題を提供しています。
たとえば、他の町のまちづくりの話や、小さな商いの話、昔の浦河の様子など!

講演会とは違った誰もが参加しやすい場を目指しています。
参加者同士、参加者と話者が雑談したり、話をするのが苦手な人は静かに頷いたり・・誰もが気軽に参加できる会です。
ぜひご参加ください!

2013年8月16日金曜日

【レポート】第8回地域デザインカフェ『地域をつくる風の人、土の人』

8月8日(木)、15名の参加者の皆さんと、第8回目の地域デザインカフェが開かれました。今回のスピーカーは浦河へUターンして、昨年からふるさとで町づくりを仕事として取り組んでいる村下知宏さんです。この春には株式会社ユートラインを設立しました。
  
この日のテーマは『地域をつくる風の人、土の人』でした。彼が全国で出会ったまちづくりに活躍する人たちをスライドを交えながら話してくれました。中でも印象深かったのは、東京都奥多摩町でユニークな活動を続ける堀隆雄さんの取り組みでした。

堀さんは地域にある、おくたま海沢ふれあい農園の管理人の仕事をしながら仲間とともに”面白いこと”を作り上げていきました。ひとつは、自然豊かな奥多摩の郷土色を次世代に伝えるグループ「たまもの」です。奥多摩のモノと引っかけた名前がまず良いですね。二年前の東京都地産地消コンクールでは、地元産のワサビを使った料理で見事最優秀賞を受賞。素晴らしいですね。

堀さんの仕掛けたもう一つの企画が、「ご当地キャラカード・ゲーム」です。奥多摩の子供たちが考案したその数は、なんと200キャラ!この素人感あふれる200のキャラクターが、まちの至る所で活躍していきます。


 堀さんは奥多摩の出身ではなく岐阜の方です。ふれあい農園の管理人に応募して採用となり、奥多摩に移り住んだ方でした。この日のカフェのテーマのとおり、風の人として現れて、土の人である地元住民をダイナミックに巻き込み、楽しくまちづくりを進めている人です。発想とそれを実現させてしまう行動力が素晴らしく、いつか浦河に来てもらえたらなと思いました。

 村下君の発表のあとは、参加者それぞれの「わたしの故郷」について話をしました。都会育ちの人もいればそうでない方もいるし、転校を繰り返す子供時代を過ごした方もいました。ほとんどの参加者がくつろいで話しているように見受けられて、あっという間に閉会時刻になっていました。安心して参加できて、肩肘張らないで話ができる「場」ができてきていると感じました。

地域デザインカフェは、毎月第一木曜日、夜7時から文化会館で開催しています。次回は9月5日です。興味持たれた方はお気軽にご参加ください。

2013年8月3日土曜日

【イベント開催】第8回地域デザインカフェを開催します!

今、全国各地で好きな町のために活動する人がたくさんいます。

その土地に惚れ込み移り住んだ人、
住み始めたら何かせずにはいられなくなった人、 
あるいは生まれ育った故郷のために動き出した人達。
彼らは何故地域づくりに熱心に取り組むのでしょうか?

今回のカフェマスターは当会事務局の村下が担当します。
大企業をやめて、田舎に家族と移り住んだ方、海外での経験を地域づくりに生かす若者など、
カフェマスターが今まで出会った全国各地で活動する魅力ある人達・・・・
そしてUターン者として浦河で活動する村下自身の想いや経験をお話しいたします。

・日時  8月8日(木)19時~21時
・会場  浦河町総合文化会館 団体活動室
・参加費 500円
 ※「食つな」は補助事業期間を終え、任意団体として活動を継続しています。会場費などの経費に  充てるために、前回からワンコインの参加費をいただいておりますので、
  ご理解・ご協力のほど、お願いいたします。 
 ※託児室はご用意しておりません。ご了承ください