第11回地域デザインカフェ ~ 「大地を活かした地域づくり」 ~
11月7日(木) 浦河町総合文化会館 団体活動室
第11回目のカフェマスターは、アポイ岳ジオパークビジターセンターで学芸員補を務める加藤聡美さんをお呼びしました。
ジオパークとは大地を意味する「ジオロジー」と公園を意味する「パーク」を組み合わせた言葉です。それだけ聞くと岩石や地層といった地質に関する公園なのかと思いがちですが、ジオパークは大地の上に存在する植物や気候、そして産業や文化といった人の生活のつながりを再発見し、地域の活性化を図る拠点を指すそうです。
加藤さんの資料から。大地の遺産、自然遺産、文化遺産が組み合わさて成り立つジオパーク。 |
加藤さんは学芸員補として地域の隠れた魅力を教育やツアーといった形で伝えています。カフェでお話いただいた「日高本線の終点が様似なのは、日高山脈が海に沈み込んだ断崖絶壁があるため」といったお話をはじめ、普段目を向けない「ジオ」の視点でみる地域の話には、参加者から「へぇ~」という驚きの声とたくさんの質問が飛び出ました。
豊富な知識で学芸員として活躍する加藤さんですが、大学生時代には学芸員という仕事はまっさきに進路の候補から外していたそうです。それは学問的な難しいことばかり考えて、難しいことばかり話すだけの仕事に思えたから。しかし縁あって北海道のいくつかの“田舎“と関わる中で。難しいことを楽しく、話すだけではなく地域の人達と実践する役割をできるのではないかという考えに変化していったそうです。
夕焼けのアポイ岳ジオパークビジターセンター。館内の展示も大変素晴らしいです。 |
実際にアポイジオパークでは地域の中で実践する取り組みをされています。特に興味深かったのは「ジオ塾」です。地域の人達ガイドとなり、地域の自然や産業のかかわりについて知る機会を水力発電用のダムの見学ツアーや漁師のお母さんたちが講師の料理教室といった形でつくりだしています。「なぜこの場所にダムをつくったのか?」「サケはどんな生態なのか」といったように地域の『ジオ』の特徴と、生業や営みをつなぐ取り組みを地域の人達と一緒にできることが少し羨ましくも思えました。
今回で第11回を迎えた地域デザインカフェ。前回の新ひだか町からお越しいただいた天野さんに引き続き、お隣町・様似からカフェマスターをお迎えしました。町という境にとらわれず、繋がっていくこと新しいことを知り、動く可能性を感じることが出来ました。
(事務局:村下知宏)