日高の一大産業である軽種馬生産。競走馬が実際に競馬場で活躍するまでには、実に多くの役割の人が携わっています。競走馬の命とも言える蹄をケアする装蹄師もその一人です。
26名の参加があった第30回の地域デザインカフェには、装蹄師・田中駿さんにカフェマスターとしてご登場いただきました。田中さんは競走馬牧場の跡継ぎでもあります。今回は「蹄なくして馬なし」という言葉があるぐらい大事な「蹄」をケアする装蹄師の仕事について、そして競走馬牧場の跡継ぎとしての想いをお聞きしました。 装蹄(そうてい)と削蹄(さくてい)
装蹄師の使途は大きく「削蹄(さくてい)」と「装蹄(そうてい)」の2つに分けられます。削蹄は文字通り、伸びてくる馬の蹄を削り、手入れする仕事です。装蹄は馬の靴でもある蹄鉄を釘を用いて馬の蹄に固定する仕事。生産地である日高では馬が蹄を履くことは少ないため、削蹄が主な仕事になるそうです。
今回のデザカフェにあたって先輩装蹄師さんからたくさんの道具や蹄を借りてきてくれた田中さん。「装蹄師は馬が相手の仕事のようで、実は人との縁や関わりが一番大事だと思っています。」と話していました。装蹄師として各牧場を訪れることを通じて、牧場の跡継ぎとして家業を手伝うだけでは見えてこなかった発見が日々あるそうです。
うらかわ「食」で地域をつなぐ協議会 村下知宏