2013年4月2日火曜日

浦河産「九条ねぎ」が旬を迎えています

昨日の朝、上野深にある藤田泰蔵農園にお邪魔してきました。

藤田さんの農園は、夏に育てているスーパーアイコでつくった「スーパーアイコのトマトジュース」を通して、ご存知の方もいるかと思いますが、冬期は京野菜の「九条ねぎ」を育てています。北海道での生産は珍しいこの九条ねき。寒さが長引いたこともあって、3月末から出荷の最盛期を迎えたそうです。

私が札幌の実家に行く予定を知って「ご家族でぜひ食べてみて」と有り難いお言葉を頂き、いそいそと車を走らせたのでした。

無冠水、無加温で冬を耐えた逞しい九条ねぎ
藤田さんが九条ねぎを育て始めたのは、トマトのコンパニオンプランツとして。特定の作物を育てていると、肥料の中のある成分が積極的に使われ、別の成分はどんどん土に残っていきます。その、残っている成分を必要とする作物をつくることで、残留する肥料の偏りがなくなり、連作障害が起こりにくくなるのです。そのトマトのコンパニオンプランツが、ネギだったというわけです。

数年前からいろいろな種類のネギを植えてみたそうですが、冬期の間、電熱線などで加温せずとも、たくましく育ったのが、平安時代から京都でつくられてきたという九条ねぎ。京都からは遠く離れたこの地で、なぜか上手く育ったのです。そこから、積極的に九条ねぎの作付けを行うことになったそうです。

気温があがりどんどん生育する九条ねぎ

先日、STVのラジオ番組に出演した札幌宮の森のこだわりスーパー「フーズバラエティすぎはら」の杉原さんも、今が旬の美味しい野菜として、この藤田さんの九条ねぎを取り上げてくださったそう。

番組の中で、杉原さんは、九条ねぎの美味しい食べかたも紹介。軟白部分は、まな板の上で、軽く叩いてから、フライパンで焼き、味を凝縮させて、みそ汁やお鍋に。また、薄皮がついたままのものを洗わずに炭火で焼いて食べる、など。細いものは、野菜はねぎのみ、のしゃぶしゃぶや、ぬたにしても美味しいそうです。

早速、実家では、軟白部分はお味噌汁に、あと、さすがに炭火は大変だったので、グリルで焼いて、オリーブオイルを少したらして、軽く塩を振って頂きました。

冬の厳しい寒さを越えた、この九条ねぎは、とっても甘いのですが、その特徴である苦みも感じ、なんとも深みのある味。和食はもとより、魚介系のイタリアンに合いそうだなあと思いました。

スーパーアイコのかわいらしい苗
別のハウスでは、スーパーアイコをはじめとする、夏野菜に苗の育成と植え付けが始まっていました。農園には、去年の10月末、もう収穫も最後という頃に、一度お邪魔しているのですが、夏の間ずっと、あの宝石のようなトマトを実らせていたトマトの株も、最初はこんな小さな苗からはじまっている、という至極当たり前のことを目の当たりにして、植物の生命力のすごさを改めて感じました。初夏の実りが楽しみです。
昨年10月、収穫終わり頃の実り

(「元」研修生・宮浦宜子)



※藤田さんの「九条ねぎ」は、浦河では荻伏築港にある「所司商店」で扱われているほか、札幌では前述の「フーズバラエティすぎはら」や「フレッシュファクトリー」で、買うことができるようです。